電話によるお問い合わせ

電話をかける

blog

ブログ

バフ研磨で表面粗さ(Ra)が重要な理由 — 美しさと機能性を仕上げ段階ごとに解説

バフ研磨は、金属をピカピカに輝かせる仕上げ加工として知られています。

単なる見た目の演出にとどまらず、製品の機能性にも深く関わっている加工ですが、「バフ研磨仕上げ」と図面に記載したものの、実際どのくらいの表面粗さに仕上がるのか、いまひとつイメージが湧かない、とお困りの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、バフ研磨と表面粗さ(Ra)の関係を、仕上げ段階ごとに整理して解説します。

\ 社内一貫対応だから低コスト・短納期!
スエナミが選ばれる理由を見る

バフ研磨とは?他の研磨方法との違い

バフ

バフ研磨とは、布・皮革などの柔らかい素材で作られた円盤状の「バフ」を高速回転させ、金属表面に押し当てて磨き上げる仕上げ加工です。

英語の「buff(磨いて輝かせる)」が語源とされています。

表面を削り取る「研削」とは違い、バフ研磨は弾性のある素材で表面をなでるように磨きます。
そのため深いキズを取り除くことには向きませんが、機械加工でついたツールマークや溶接ビード、細かなキズを滑らかにし、光沢のある表面に仕上げることができます。

最終仕上げとして単体で使われることもあれば、電解研磨やめっき処理の前処理として、あらかじめ表面の凹凸を整える目的で使われることもあります。

表面粗さとは?Ra・Rzの違い

表面のあらい金属

バフ研磨の仕上がりを数値で語るとき、必ず出てくるのが「表面粗さ」という指標です。

ところがこの表面粗さ、実は一つの数値だけで表されているわけではありません。
まずはRaとRzの違いから整理しておきましょう。

Raは算術平均粗さ

Ra(算術平均粗さ)は、測定した表面の凹凸を基準線からの高さの平均値として表した指標です。

1箇所だけの小さなキズや突起に数値が左右されにくく、全体がどれくらいなめらかかを評価するのに向いています。そのため、部品同士がこすれ合う場所や見た目が大事な表面のチェックによく使われます。

図面や一般的な機械加工で表面の粗さを指定するときも、このRaを使うのが標準的です。

Rzは最大高さ粗さ

一方Rz(最大高さ粗さ)は、測定範囲内での「一番高い山」と「一番深い谷」の差を表す指標です。
一箇所だけの深いキズや突起を見抜くのに向いており、バフ研磨業界では定番の基準として広く使われています。

バフ研磨の説明でRzが使われる理由

rzとra

実はバフ研磨の解説の多くは、RaではなくRzを使って粗さの目安を説明しています。

バフ研磨は「深いキズが残っていないか」を確かめる加工でもあるため、一番高いところと低いところの差がわかるRzのほうが、現場の職人さんにとってピンとくるからです。

一方で、設計図面での指定はRaで行われることがほとんどです。そのため、現場の感覚(Rz)と図面の指示(Ra)の間には、見落としがちなズレが生まれてしまいます。

このギャップをなくすには、両方の目安を把握し、状況に応じて計算しながら仕上がりのイメージをすり合わせることが大切です。

Raの目安

粗さの違うステンレス

バフ研磨は、一般的に「粗研磨」「中研磨」「仕上げ研磨」という3つの段階を経て行われます。
どの段階まで磨き込むかによって、表面粗さは大きく変わります。

工程 目的 使用する番手の目安 Ra目安 仕上がりイメージ
粗研磨 機械加工痕・溶接ビードのキズ取り #80〜#200 Ra 1〜数μm程度 ツヤはなく、キズが目立たない程度
中研磨 表面に光沢を出す #200〜#400 Ra 0.5〜1μm程度 光沢はあるが鏡のようには映り込まない
仕上げ研磨 準鏡面〜鏡面に仕上げる #600以上 Ra 0.1μm以下 鏡のように景色が映り込む

※ 上記の数値はあくまで目安です。バフ研磨は狙った表面粗さを保証するために行う加工ではなく、素材の状態、研磨剤の種類、作業者の熟練度によって仕上がりに幅が生じます。

厳密な粗さ指定が必要な場合は、事前にサンプルを作成し、加工業者とすり合わせることをおすすめします。一般機械部品として使うだけであれば粗研磨〜中研磨で十分なケースが多く、意匠性を重視する部品や、後工程でめっき・電解研磨を行う部品では仕上げ研磨まで行うのが一般的です。

なぜRaが重要なのか

ピカピカステンレス

① 美しさの観点から

金属の輝きは、バフ研磨によって作られます。
Raの値が小さくなるほど、光の乱反射が抑えられ、鏡のように景色が映り込む鏡面仕上げに近づいていきます。逆にRaが大きいままだと、光が乱反射してくすんだ印象になります。

手作業でのバフ研磨は、機械研磨と違って作業者の技術差が仕上がりに表れやすい工程です。

同じ番手のバフを使っても、当て方や研磨時間によって、表面のムラや局所的な光沢の違いが生じてしまいます。だからこそ、意匠性を重視する製品では、経験に基づいた丁寧な仕上げ管理が求められます。

② 機能性の観点から

表面粗さは見た目だけでなく、部品としての機能性にも直結します。

滑り性・摺動性の向上
可動部品の表面粗さを小さくすることで、部品同士の摩擦抵抗を減らし、動きをなめらかにできます

汚れ・粉体の付着防止
食品機械や医療機器の筐体など、衛生面が求められる部品では、表面の凹凸が少ないほど汚れが溜まりにくく、清掃性も向上します

耐摩耗性・耐食性への寄与
表面の微細な凹凸を減らすことで、腐食の起点になりやすい箇所を減らし、部品の耐久性向上につながります

摩擦損失(圧力損失)の低減
配管内面など液体・気体が通過する部分では、表面をなめらかにすることで流体抵抗を減らせます

図面でRaを指定する際の注意点

ポイント

「図面にRaの数値さえ書いておけば安心」と考えたくなりますが、実はそう単純にもいかないのが表面粗さの難しいところです。

実際の加工現場では、事前に「この番手で磨けばRaがいくつになる」と正確に予測することが難しいケースが少なくありません。

同じ番手でも、素材の材質や形状、研磨時間によって仕上がりの粗さは変動するためです。

そのため、粗さにこだわりのある場合は、次の2つの指示方法を組み合わせてみましょう。

1.表面粗さ(Ra、Rz)で指示する方法
品質基準として厳密な数値指定が必要な場合

2.バフの番手や、事前に作成したサンプルで指示する方法
具体的な仕上がりイメージをすり合わせたい場合

まとめ

反射するステンレス

バフ研磨後の表面粗さは、粗研磨・中研磨・仕上げ研磨のどこまで磨き込むかによって大きく変わります。

また、粗さの値(Ra)は見た目の美しさだけでなく、滑りやすさや耐摩耗性といった製品の機能にも直結する重要な要素です。

  • 表面粗さの指標
    図面指定ではRa(算術平均粗さ)が主流ですが、現場ではRz(最大高さ粗さ)も使われます。

  • 仕上げと数値の変化
     研磨の段階が進むほどRaの値は小さくなり、鏡面に近づきます。

  • 数値の扱い
    バフ研磨は指定数値を厳密に保証するものではなく、あくまで「目安」として捉える必要があります。

  • 前工程の影響
    溶接や曲げ加工など、研磨前の仕上がりが最終的な粗さに大きく影響します。

仕上げ・研磨加工もスエナミ工業にお任せください

表面粗さの指定や、見た目(意匠性)と機能を両立させた仕上げでお悩みの際は、ぜひご相談ください。

バフ研磨専門の業者は多くありますが、当社はレーザー切断・曲げ・溶接から研磨までを一貫して手がける精密板金メーカーです。

研磨の仕上がりは、実は溶接痕の下処理など「前工程の精度」に大きく左右されます。一貫生産の当社なら、最初から最終仕上げを見据え連携した加工ができるため、思い通りの品質を実現できます。

精密板金の一貫生産だからこそ、最適な仕上げ方法をご提案可能です。
小ロット・短納期にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

\ ご相談だけでも大歓迎 /
お問い合わせはこちら

スエナミ工業について知る