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ステンレス(SUS)の板厚は何がある?規格・公差・失敗しない選び方を解説

ステンレス(SUS)の部品を設計・発注するとき、こんな悩みはありませんか。

  • 「規格上、板厚は何ミリまで選べるのか分からない」
  • 「公差の指定を誤って、後から図面をやり直した」
  • 「厚みを厚くしすぎてコストが膨らんだ、逆に薄くして強度不足になった」

板厚の選定は、コスト・強度・加工方法のすべてに直結する重要な判断です。

この記事では、SUS板の代表的な板厚ラインナップから公差の考え方、用途別の選び方、そして「板厚によって向き不向きが変わる加工方法」まで、精密板金加工の現場目線でまとめて解説します。

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SUS板の板厚ラインナップ

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ステンレス板は素材メーカーが定める規格に沿って、あらかじめ決まった厚みで流通しています。代表的なラインナップは以下の通りです。

厚みの目安 主な用途
0.3〜0.5mm 精密板金、化粧パネル
0.6〜1.5mm 筐体カバー、装置パネル
1.5〜3.2mm 装置フレーム、架台
3.2mm〜 構造部材、耐荷重部品

※実際に発注できる板厚は、メーカーの在庫状況や加工会社の対応範囲によって変わります。

板厚公差はどう考える?

比較検討中

SUS板には「公差」と呼ばれる、JIS規格(JIS G4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)で定められている、板厚ごとに許容される厚みのばらつき幅が存在します。

図面上では同じ「1.0mm」でも、実際のロットによっては下表の範囲内で微妙な差異が生じます。

呼び厚さ 厚さの許容差
0.40mm以上0.60mm未満 ±0.035mm
0.60mm以上0.80mm未満 ±0.040mm
0.80mm以上1.00mm未満 ±0.040mm
1.00mm以上1.25mm未満 ±0.050mm
1.25mm以上1.60mm未満 ±0.055mm
1.60mm以上2.00mm以下 ±0.065mm

※実際の許容差は板の幅区分によっても変わるため、あくまで目安としてご覧ください。
※シハチ材などの大判定尺材から切り出す場合、JISの標準公差では 1.0 mm 板で ±0.09 mm 程度のばらつきが認められています。

精度がシビアな部品では、公差込みで寸法や強度計算をしておくことが失敗を防ぐポイントです。

定尺寸法も忘れずに確認を

サイズを測る

板厚だけでなく、板の縦横サイズ(定尺寸法)も発注時の重要な要素です。

代表的な定尺は「3×6(サブロク):910×1,820mm」「4×8(シハチ):1,219×2,438mm」などがあります。
設計する製品のサイズによっては、定尺からの取り数(歩留まり)がコストに大きく影響します。

用途別・板厚選びの目安

様々なステンレス製品

0.3〜1.0mm程度
軽量な化粧パネル、精密な折り曲げ形状が必要な部品向け

1.0〜3.0mm程度
装置カバーやフレームなど、ある程度の剛性が求められる部品向け

3.0mm以上
荷重を受ける構造部材や、強度が最優先される部品向け

迷ったときは「その部品が何を求められているか(軽さ・強度・見た目)」から逆算すると、板厚の方向性が見えてきます。

板厚は加工方法とセットで考える

穴あけ加工の金属

実は、板厚は「どの加工方法が向いているか」にも直結します。たとえばタレットパンチプレス(タレパン)加工は、比較的薄い板厚(目安として0.3〜2.0mm程度)を得意とし、多品種・小ロットの穴あけや打ち抜きに強みがあります。

一方、厚板や複雑な形状の切断にはレーザー加工が適しています。

スエナミ工業では、レーザー加工・タレパン加工・曲げ・溶接・研磨・表面処理までを自社の一貫体制で対応しています。板厚や形状に応じて最適な加工方法を組み合わせられるため、「この板厚だとどこに頼んでも断られた」といったケースにも対応しやすいのが強みです。

設計段階から板厚と加工方法を一緒に相談いただくことで、コストと納期の無駄を防げます。

業界によって求められる板厚・仕上げは異なる

仕上げの違うステンレス

食品機械や医療機器向けの部品では、単に板厚が合っていればよいわけではありません。

衛生基準を満たす表面仕上げ(バフ研磨など)や、耐食性を保つための材質選定とセットで検討する必要があります。
研磨代(磨きしろ)を考慮した設計のためにも、板厚選定と仕上げ工程は切り離さず、発注前に一緒に確認しておくと安心です。

表面の仕上がりについては「バフ研磨で表面粗さ(Ra)が重要な理由」でも詳しく解説しています。

よくある質問

Q. SUS304の板厚の公差はどれくらいですか?

A. JIS G4305の規格では、板厚区分と板幅によって許容差が細かく決まっています(上表参照)。たとえば1.0mm前後であれば±0.05mm程度が目安ですが、正確な数値が必要な場合は対象の板厚・板幅を伝えたうえで確認することをおすすめします。

Q. 板厚によって材質(グレード)も変わりますか?

A. 板厚と材質グレード(SUS304・SUS316など)は基本的に別の指標です。グレードごとの特徴については「ステンレス(SUS)の材質には種類がある?」で解説しています。

Q. 薄い板厚と厚い板厚、どちらがコストを抑えられますか?

A. 一概には言えません。薄すぎると補強が必要になりコストが増えるケースもあります。用途に対して過不足のない板厚を選ぶことが、結果的に最もコストを抑える近道です。

発注前に伝えておきたい情報チェックリスト

チェックリスト

板厚まわりで手戻りを防ぐために、見積もり依頼の際は次の情報をあわせて伝えるとスムーズです。

  • 希望する板厚(数値だけでなく「軽さ優先」「強度優先」などの目的も)
  • 材質グレード(SUS304・SUS316など、決まっていれば)
  • 想定するサイズ・数量(定尺からの歩留まりに影響)
  • 求める仕上げ(バフ研磨・表面処理の有無)
  • 対応してほしい加工方法の希望(決まっていなければ「未定」でも問題ありません)

「板厚は決まっていないが、こういう用途で使いたい」という段階でも、加工会社に相談することで最適な板厚・加工方法を一緒に検討できます。

まとめ

ステンレスの板

SUS板の板厚選びは、規格・公差・用途・加工方法まで含めて総合的に判断する必要があります。「この板厚で加工できるか」「どの加工方法が向いているか」で迷ったら、一貫体制で対応できる加工会社に早めに相談するのが近道です。

板厚選びのご相談もスエナミ工業にお任せください

スエナミ工業の外観

スエナミ工業では、板厚や形状に応じた加工方法のご提案から、VE/VA提案による仕様の見直しまで、設計段階からご相談いただけます。小ロット・短納期にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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